ゆるい教育ママの育児日記

中3と小4の娘をもつアラフィフのお母さんです。主に家庭学習の記録、日々思ったことを書いていきたいです。

宿野かほる ルビンの壺が割れた読了

 

ルビンの壺が割れた(新潮文庫)

ルビンの壺が割れた(新潮文庫)

 

 

歴史小説を読んだあとは、現代の小説をよみたくなります。

派手な帯にまんまとはめられて(笑)、思わず買いました。

平家物語は1年以上かけてよみましたが、これは2時間でよみきりました。

近頃のミステリー小説は、とにかく、衝撃の結末、これが大前提であるような気がします。

ネタバレになりますが、

ヒロインの女性が複数の男性と関係をもっていたり、近親相姦のくだりは、必要だったのかな?と思います。

ただ衝撃の結末をつくりたいがために、とってつけたような展開だったように思えます。

とはいっても、感想をかいているぐらいなので、中々おもしろかったのは事実です。

 

主役の中年男が結婚式の前に突然姿をけした婚約者を偶然SNSでみかけて、メッセージのやりとりをするのですが、消えた婚約者に対する執着ぶりがすごいのです。

自分がどんなにヒロインのことを好きだったか、過去にはこだわっていない、あなたが今は幸せであればいいとおだやかな文体で語っているのですが、メッセージのたびにひつこく結婚後の姓や住んでいる場所をきいたりする最後の一文がそら恐ろしいでのです。

 

この本のおもしろさは、ずばりここですね。

 

ここまで現在の居場所や名字にこだわるのは、全然ふっきれていないに違いない。

自分の立場におきかえるとぞっとします。

 

そうして最後のラスト。

伏線もへったくれもなく(笑)新事実がでてきて、主役の中年男に向けてはなったヒロインの一言。

 

これがまたよかったです。

 

終わりよければすべてよし、でしょうか。

好き嫌いは別れるでしょうか、私はおもしろかったです。